外壁塗装に使われる塗料の種類について知りたい! どんな特徴がある?


外壁塗装を塗り替える際、どのような塗料を選択していいか迷ってしまった、という経験がある人も多いと思います。外壁塗装に使われる塗料の技術は日々進歩しており、毎年のように新商品が発売されていますが、その反面効果が分かりにくいという人もいるでしょう。
そこで、今回は外壁塗装に使う塗料の種類について解説します。

  1. 塗料とは何か?
  2. 外壁塗装の塗料について
  3. 外壁塗装を塗り替える目安
  4. 外壁塗装の業者の選び方や注意点
  5. 外壁塗装に関するよくある質問
  6. おわりに

この記事を読めば、塗料の種類やそれぞれの特徴についてよく分かることでしょう。外壁塗装の塗り直しを考えているという人は、ぜひ読んでみてくださいね。

1.塗料とは何か?

はじめに、塗料の目的や種類について解説します。

1-1.塗料とはどんなものか?

塗料とは、文字どおりものの表面に着色する液体のことです。絵具やペンキも塗料の一種になります。染料が、ものの中心まで浸透して色を付けるのに対し、塗料はものの表面を覆っているだけなので、経年と共に劣化して剥がれ落ちることもあるでしょう。ですから、定期的に塗り替えが必要です。

1-2.塗料で色を塗られているものとは?

塗料は、中まで染めることができないもの(木材・鉄・陶器など)の着色に使われます。もちろん、外壁の着色も塗料です。塗料は、劣化しても塗り直すことができるというメリットがあります。ですから、屋外で使われるものの着色にも塗料が使われることが多いでしょう。

1-3.現在の塗料について

現在の塗料は、単に色を付けるだけでなく防汚・防水・断熱などさまざまな効果があります。また、古びたような仕上がりになる塗料などもあり、目的や用途によって使い分けることが大切です。また、塗料によっては塗り方に技術が必要なため、専門の業者でないと塗ることがむずかしいものもあります。

2.外壁塗装の塗料について

この項では、外壁塗装の塗料の種類や特徴を解説します。どのような塗料があるのでしょうか?

2-1.外壁塗装に使われている塗料の種類

現在、外壁塗装に使われている塗料には以下のようなものがあります。

  • アクリル塗料:最も安価な外壁塗装用の塗料。安価な分耐久性が低く、寿命は5~7年程度しかない。現在は外壁塗装に使われることは少なくなっている
  • ウレタン塗料:シリコン塗料が主流になる以前は、外壁塗装の主流だった塗料。寿命は8~10年程度とアクリル塗料よりは長いが、現在はアクリル塗料同様、あまり使われない。
  • シリコン塗料:現在、外壁塗装の主流となっている塗料。種類も豊富で、1平米あたりの金額が高いものほど耐久性も高い。寿命は10~15年。一平米あたりの相場は幅があり、2,300~3,000円
  • フッ素塗料:フッ素塗料はシリコン塗料よりもさらに耐久年数が長い塗料。寿命はおよそ15~20年で、その分一平米あたりの値段も4,000円以上と高価。そのため、使われる場所は限られる
  • 無機塗料:無機物を配合した塗料で、フッ素塗料よりもさらに耐久性が長い。しかし、その分価格も1平米あたり5.000円以上と高価。

2-2.特殊効果を持つ塗料

外壁塗料の中には、以下のような特殊効果を持つ塗料もあります。

2-2-1.ラジカル塗料

ラジカルとは、酸素や紫外線・水などが塗料に触れることによって生ずる劣化因子のことです。ラジカル塗料はラジカルが発生しにくい塗料のことで、より劣化しにくくなっています。耐久年数は15年前後で、フッ素塗料並みです。しかし、価格は1平米あたり1,500円前後と安価になっています。

2-2-2.光触媒塗料

光触媒塗料は、太陽光で汚れを分解して浮かす効果がある塗料です。浮いた汚れは雨によって洗い流されます。このほか、藻やカビの繁殖を防ぐ効果もあるので、発売当初から話題になっていました。単価は一平米4,200円~と高価ですが、外壁の掃除があまりできない場所では人気があります。

2-3.外壁塗装に使われる塗料の特殊効果

2-2でご紹介した塗料のような効果に加えて、外壁塗装に使われる塗料には、防水効果や断熱効果のあるものがあります。防水効果がしっかりあれば、壁からの雨漏りを防ぐことができるでしょう。断熱効果がある塗料を使用すれば、部屋の中から熱が出て行くのを防ぐ効果と、外からの熱を遮断する効果が期待できます。ですから、夏涼しく冬暖かい家になるでしょう。

2-4.塗料の選び方

外壁塗装に使われる塗料は、1平米あたりの値段はかなり幅があります。安価な塗料は、1平米あたり2,000円以下ですが、耐久性に不安があるでしょう。また、特殊効果を持つ塗料はどうしても高価になりがちです。ですから、以下のような順番で塗料を選びましょう。

  1. 耐久年数
  2. 塗料の特殊効果
  3. 値段

いくら値段が安くても、耐久年数が低くては何度も塗り直しが必要です。また、家が建っている環境によっては特殊効果が必要になるケースも多いでしょう。値段だけで塗料を選ばないようにしましょう。なお、マンションなど大型の建物を塗装するには、1平米あたりの単価が高くても、耐久年数が長い塗料がおすすめです。

3.外壁塗装を塗り替える目安

外壁塗装の耐用年数は塗料によって異なりますが、以下のような症状が外壁に現れたら、塗り替えどきです。

  • 外壁一面に汚れが広がり、見栄えが悪くなった
  • コーキング(サイディング同士をつなぐ接着剤の一種)の広い範囲にひび割れが生じている
  • 外壁に幅2㎜を超えるひびができ、さびなども浮き出ている
  • 手で外壁をこすると白い粉がつく(チョーキング)
  • コケやカビが外壁の広い範囲にはえてしまった
  • 外壁から雨漏りが疑われる

4.外壁塗装の業者の選び方や注意点

この項では、外壁塗装の流れや請け負ってくれる業者の選び方を解説します。ぜひ、参考にしてください。

4-1.外壁塗装はいつ行うべき?

真夏に外壁塗装を行うことは、一時的に窓が開けられなくなったり室外機が使えなくなったりするので、向いていません。また、気温が5℃以下になると塗料の伸びが落ち、うまく塗れなくなるので、外壁塗装には不向きです。気候がよく雨が少ない春や秋が外壁塗装に適した時期になります。ただし、春や秋は依頼が集中しがちなので、早めに業者を見つけて依頼しましょう。

4-2.業者の選び方

外壁塗装を行ってくれる業者は、たくさんあります。インターネットを検索すれば、すぐにいくつもの業者がヒットするでしょう。外壁塗装業者はそれぞれ特徴がありますが、塗装する前の外壁の状態調査を丁寧にやってくれる業者や、アフターフォローが手厚い業者は信用できます。また、口コミサイトなども参考にしましょう。業者のホームページがある場合は、実績もよく確認してみてください。迷った場合は、複数の業者から見積もりを取ってみましょう。

4-3.注意点

外壁塗装に使われる塗料の中には、一定の厚みで塗らないと効果が発揮できないものもあります。いくら特殊効果があり、単価の高い塗料を使っても、正しく塗ってもらわなければ意味はありません。業者の中には、塗料の量をわざと少なくして価格を安くしているところもあります。ですから、見積もりを取った際、ほかに比べて極端に安い業者は使用予定の塗料の量を確認してみましょう。契約を急がせる業者にも要注意です。

4-4.安く外壁塗装するコツ

外壁塗装は、必ず行わなければなりません。しかし、「もうこれ以上は外壁が持たない」という段階まで外壁塗装をしなければ、外壁の修理が必要になることもあるでしょう。また、アフターケアが手厚い業者に依頼すれば、塗装をしてからも定期的に外壁をチェックしてもらえるので、不具合があればすぐにわかります。外壁塗装は、まだ外壁が比較的きれいなうちに行い、アフターケアが手厚い業者を選べば、結果的に費用が安くなるでしょう。

5.外壁塗装に関するよくある質問

Q.外壁塗装を今すぐ行わなければ、壁から雨漏りがしてくると飛び込み営業が来ました。本当でしょうか?
A.飛び込みで営業をかけてくる業者の多くが、悪徳業者です。外からもはっきりと外壁の傷み具合が分かるようならば、必ず不具合が生じています。信用してはいけません。

Q.外壁塗装はどのくらいの期間で塗り直しが行えますか?
A.建物の規模によって異なりますが、一戸建てなら約1週間、大規模マンションなら1か月以上かかることもあるでしょう。

Q.雨が降った日は外壁塗装は行えませんか?
A.はい。行うことはできません。雨が塗料に混じると、うまく塗れなくなります。

Q.塗装業者は、どんな塗料でも扱っているのでしょうか?
A.業者によって扱っている塗料は異なります。どうしても使いたい塗料がある場合は、それを取り扱っている業者を選びましょう。

Q.家の外壁を全く違う色に塗ることはできますか?
A.可能ですが、家の印象はがらりと変わるので注意しましょう。

6.おわりに

いかがでしたか? 今回は、外壁塗装に使う塗料の種類について解説しました。現在はいろいろな特殊効果を持つ塗料も増えているので、分からないことはどんどん業者に質問し、自分の家に会った塗料を選びましょう。そうすれば、外壁の美しさは長期間保つことができます。